緑応/木立 悟
 






月の横さわりつづけるまぶたかな



まぼろしを捕らえ離さぬ冬の蜘蛛



どこまでも何も無い部屋ひびきゆく



おまえにはおまえの音叉つき刺さる



覚めるとき指をしたたる光かな



霧の骨曲がり角なお曲がり角



色の失い輪が春の腕しめつける



消える日に生まれるものをひとつ足す



居りました光は蒼く居りました



降る雨と降らぬ雨抱く緑かな






















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