半袖のかいだんです/KETIPA
 
スロープが設置され
単離された感情が乗って行くスロープ
サングラスが監視する目を伏せ
切り刻む風景を随時放り込む

横縞の観覧車が上下に回転する
警笛がしずかに
きわめて静かに鳴っていく
ここは海浜公園
自意識のかけらがコースターにのって回る
残された娯楽の痕跡です

全自動のそれに紙を通す
それの中に紙が通される
紙を通して出口から出す
ただそれだけのためのそれも
現役で稼働中
うすっぺらのそれは枯れた紙を何度も吸い込んで吐く


嘔吐メイションさなかのこちら――


背中には旅客機
雲のチリが一々引っかかり積もる
廃スクラップ工場には今日も長蛇
[次のページ]
戻る   Point(3)