フウイヌム/亜樹
 
 友人よ。
 君に会わなくなって、今日でもう、どれほどの時間が流れたことだろう。
 それは、もしかしたら、一月なのかもしれないし、既に何十年も経ってしまっているのかもしれない。
 ただ一つ、確かなことは、私はもう君に会うことはないだろうということだ。それを思うと、私は悲しい。そして、君もそうならいいのに、と思う。

 あの日、あの嵐の夜。私の乗っていた船が難破し、私もまた暗い獰猛な波に飲み込まれ、なすすべもなく沈んでいった。
 なので、君もおそらく、私が神の身元へ旅立ったのだと思っていることだろう。しかし、それは違うのだ。私は生きている。ただ、それだけを君に伝えたくて、私はこうして、渡
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