霧の中で/
 
の人」は集団行動を主とすると本で読んだが この鳥の人は一人だ
いや、深い霧で見えないだけだろうか?
背丈は僕と同じぐらい
少女なのか少年なのかわからない中性的な顔立ちをしている
仮に彼として、彼は僕の存在にまるで気付いていないようだ
足を三歩も進めれば体がぶつかってしまうぐらいの近さだ
彼は僕などいないかのように、巨塔の上を眩しそうに見回している
好奇心に負けて僕は声をかけた
「あの・・・すみませ・・・・・・・・・・!!!!」
彼は突如僕の存在に、まるで今、たったいま気付いたかのようにこちらに視線を変え
目を大きく円く見開いた
そして手の平で顔面を鷲掴みにされ地面に叩きつけられた

ありえねぇ。

僕は思った。

ありえねぇッス。おじーちゃん。
  
           <to be continued>
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