詩を遠ざけるための断章/非在の虹
 
        父
                  兄
                  姉 
                  妻
                  夫
             息子 娘 孫
身にまとっているのは経文か
       祭壇に最後に登るのは 
恋人であろう

         底で裁断を待つ季節たち
       の横顔も見える
            いくぶんやつれている

       無意味なテクストを残し  さて
         よみの国へ帰ろう
    私は呼び起こした者
          あるいは 呼び起こされた者
   そのおぞましさ
      けがらわしさ あさましさを衣とし
   ひきつる悔恨を杖とし
哄笑を残し


                       (2002年10月)
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