中身/豊原瑞穂
ある夜、突然目が覚めた。
AM3:25、まだ寝始めて2時間程度しか経っていない。ふと横で寝ている彼女を見ると驚く事を観付けてしまった。背中に大きな紙が1枚、なぜだか貼られていた。
『?』
寝る前は何も貼っていなかった、湿布が必要だとも言ってなかった、と思う。気になってそっとその紙を剥がしてみると、そこからは何も無い空間が現れた。
『…!?』
塩化ビニールの人形の内側を見ているように、最近へこんだと言い張っている腹や、
横になって潰れたCカップを裏から見ているのである。手を入れてみても、ほんのり温かいだけで何も無いようで、彼女が少しくすぐったそうに体を動かすだけであった
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)