発光する体/千月 話子
そのうち 夜は突然やって来るのだろう
こんな日々に
白夜が恋しい、、白夜が恋しい、、
と 唱えてみても
彼方の国の出来事で
暗闇に透明な涙も光りはしない
今 高い声で鳥が鳴いた
人の声が少しずつ小さくなっていく
やがて夜が 夕を消していくのだろう
私は うずくまる
カーテンは全部閉めない
僅かに光る深夜の薄闇で
ぐずぐずと 眠るのだ
軽い不眠症は夜を創造し
閉じた瞼の上を明るく照らす
いつまでも落ちない意識
鬱々と 夢が恋しい・・・
高まる体温に いつか火が点いて
夜中の三時 白く発光し始める体
命長らえた
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)