ブルー・ルージュ/
瀬崎 虎彦
からだは正直なのに
わたしはことばを
つかうせいでうまくいえない
声の高い低いで
感情を伝えられたら
もっと楽なのに
バスルームから走り出て
受話器を取り上げた
声を聞くだけで安心する
きみはわたしの一部なのだと
水浸しの床を吹きながら
再確認して笑う火曜日
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