流れ星の記憶/こころゆくまま
昔
歯ブラシをくわえ
ベランダから
父親と並んで
満点の星空を眺めていた
夏の夜空は
広くて
蚊にさされるのが
難点だけど
それに勝る清々しさが
いいね
そんな感じの会話を
していたら
目の前に
人生であれ以上の
流れ星はもう見れない
そう
父親が言うくらい
強い光の
長い
火花と煙の緒が
残るくらいの
それは
それは
迫力のある
流れ星をみた
父親も私も
自然と
涙を流してしまって
父親も私も
自然と
笑い声を出した
あれは
夏の夜空からの
一生分の
プレゼントだと思う
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