猫/アマメ庵
 
たりできるのかも知れぬ。
家の中で小便を垂れる必要も無くなるかも知れない。

私は、天気の良い日は戸を開けたままにすることにした。
毎日のように、猫は入って来て残飯を処理して帰っていく。
私が在宅のときも、静かに入って、静かに去る。
会話も無いし、馴れ合いも無い。
お互いに干渉の無い距離が保たれていた。

ある日、私が座椅子で午睡から冷めると、猫はすぐ横の絨毯で眠っていた。
いつかの真っ黒の痩せ猫だ。
まあ良い。
迷惑を掛けて呉れなければ構わない。
私が再び微睡んで、また目覚めたころ、こいつはいないだろう。

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