For Me/寒雪
 
ッドの上で目を覚ます
昇りかけの陽光が
カーテンの隙間から
汚れたオレを貫く


週末に
創造主の元に出向く
ヤツラはオレを見るなり嗚咽を
オレの顔を目がけて
伸ばした手が
定まらない目鼻の位置をすり替える
こんな状態でも
大丈夫だと胸を張れる
自分自身に驚いている


何度聞けば
語られる言葉を理解するのだろう
プレーヤーの上で
傷だらけのアナログ盤が
キリキリと音を立てる


原子核は
10マルクで売りに出された


工場のサイレンが鳴る
そよ風によろめきながら
自分が消えてしまわないよう
コートの襟を立てて
足早に家路に着くのだ


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