鳩の飛ぶ夜/竜門勇気
生命の倫理が何億回入れ替わっただろう。
この僕が属する宇宙の最小のクォークが更新される度におもう。一つの認識が一体いかなるものか、誰にとって意義あるものか。
それほど貧しくなければ宇宙の端を土曜日に観察し、日曜の午後には軌道エレベーターのファミリーレストランで子どもたちのちょっとした不満に耳を傾けられる。
こんな狭い世界に何を求めて危険を冒すものがいるだろう。
いや、そういえばこの前ルナリアンのイカれた科学者が次元の壁を越えようとして木っ端微塵になったとニュースでみた。
生命の倫理が何万節継ぎ足されただろう。
この僕が属する銀河で原子番号が増える度におもう。統一された認識が一体
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