食ひ物と母/
非在の虹
老いたれば母は苺に喰ひついて
赤き果汁をだらだらとこぼす。
とんかつもたまに食ひたし施設なれば
母のきもちはわかれども黙る。
五月とは母想ふ月はつ鰹を
われは頬ばるこの母の肉。
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