ゴルフバック/森の猫
 
んと照れ笑いが重宝がられ、新人のときから、ゴルフの接待は週末の恒例になっていった。その予定は絶対だった。初めての子供が熱が出ようが、妊娠中毒症で苦しんでいる妻がいようが、引越し前後の山積みの段ボールがあろうが・・接待ゴルフ=仕事と、ミサキは認識させられていた。
 だが、そんなことはないことは、ここに2,3年でわかった。あとから入社してきた営業マンの中には、単にゴルフが好きではないという理由から、全く接待ゴルフをやらなかったり、緊急時には家族を優先させる人たちも、たくさんいることを耳にした。それを秀太郎に話すと、「そんな奴は、出世しないよ」と、鼻で笑って答えた。そうかもしれない、秀太郎は同期の中で
[次のページ]
戻る   Point(2)