雨/
クローバー
雨が降る、と描写する
詩人に少女がいいました
「雨の日だけが、悲しいなんて、なんて幸せなんでしょう」
詩人は黙って書きました
「あなたが晴れを悲しむから、僕は雨を書くのです」
少女は「そう」とうつむいて
ノートのなかに飛び込んだ。
詩人の雨はいつまでも、少女のために降るのです。
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