怪物と少女/itukamitaniji
怪物と少女
ひとりぼっちの怪物は 通りをのそのそ歩く
大きな体に黒い翼 怖がってみんな逃げ出す
友達が欲しい。 優しい瞳から大粒の涙を
いくら流しても 怪物はひとりぼっちなのでした
ある日の怪物も ひとりぼっちのそのそ歩く
ある時 通りの真ん中で転んだ少女
怪物は近付いて 大きな手で小さな手を掴みました
微笑んだ少女 それが一匹と一人の出会いでした
だけど怪物は不思議でした 自分を見ても
逃げ出さない人間は 初めてだったから
そして少女は言いました
私は目が見えないの。
でもあなたは優しい人、だって手のひらが温かいから。
世界は
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