越境/小川 葉
どうぶつは
おとなになってもなく
うれしいときも
かなしいときも
ここにいるよと
いってるみたいに
にんげんはどうだろう
ためしにないてみると
どうしても
なみだがでてしまう
+
ことばが
わたしをおいこしていく
なんどもおいつき
おいこされ
わたしはまだ
だまっている
ひとびとは
さっていき
あなたが
まっていてくれたので
ことばは
もういらなかった
+
まちじゅうを
さがしていた
それは
しあわせなのか
ふしあわせなのか
かくしょうもなく
ただひっそりと
わたしを
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