過日の血/
いっと
漫然とした教室の中
五感が鈍くなった私に
ただ一人だけ
語りかけてくれるものがいる
親指のささくれ
はみだした部分を
引きちぎる
滲む
赤く
私の証明
そっと押さえる
指に転写された
赤
ふと 子どもを産みたくなる
(教授のような人が
学生のような人に
授業のようなものを
している
意味が崩れる
確かなものは
どこ
血がしたたる
染色体を自覚する
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