青空散歩/朧月
指先よりも遠い空
青い姿で広々と
全部包んでくれそうだから
甘えた声を出しました
横切ってゆく白い猫
ちらりと横目で振り返り
しっぽをつんっと尖らせました
お前なんかは相手にされない
猫はすまして去りました
光りまぶしいそのくせに
風はすこうし冷たくて
散ってしまった桜の木には
青と風のコントラスト
ざわざわざわめく森の方
鳥は急いで鳴きました
あのこは春のせいにする
昨日終った後悔のペイジを見せろと怒ってる
もう そんなもの
私は まぶしい太陽を
みようと顔をあげたけど
やっぱりみえない
やっぱりみれない
猫にも鳥にもなりそびれ
冷たい風にも吹かれたから
かえろうかえろう
今日の時間のここからは
白いペイジは自分の手で
ちゃんとかくから かえりましょう
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