反逆/寒雪
 


何百年経とうが
根底に潜む感情だけは
除去出来ない
理解しているつもりでも
想いが深ければ
それだけ傷も深くなる
いずれ
おれは裁きを受けるだろう
おまえたちの理不尽な法廷で
弁護士のいない
孤独な奮闘
検事がおれを告発する
罪状はただ
おれの髪が黒いから
瞳が茶色だから


おれにとっての日常も
おまえたちにとっては
許容範囲を超えた
大逆罪になりうるのだ


感情が
心の奥まで取り繕うはずもなく
おれは絞首台に吊るされる
おまえたち
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