PASTICHIO MEDLEY/本木はじめ
背表紙と表紙だけ見てレジへ行く十五年後に開かれる本
大丈夫わたしはどこもおかしくないよたぶん今は春だと思う
雨が降る秋のプールに飛び込んでまだ泳いでるあの日の僕ら
時間割り停止している教室のぼくらふたりのチャイムが鳴らない
天井を歩いていましたくもとなりやまない雨を降らせるために
地獄へと続くかのよな道を描くモナリザだけを描き忘れて
かみさまがいてもなくてもいつまでも祈っているのだミレーの晩鐘
木々がよく育っているね窓のそとあれは何かなあれは風だよ
森の中誰も知らない森の中誰も知らない森の中だよ
どうして
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