重ならない午後/朧月
 
池にほうりこんだ鏡みたいにキラキラ
お昼休みの太陽
君の髪もキラキラ

手前からとればいいのに
わざと後列から取るパンには
迷う手が示すように少しの罪悪感が見えるね

缶コーヒーのプルトップには
指先が必要だけど
僕らの話のきっかけには
一体なにが必要なのかな

終ってしまった時間をもう一度
取り返そうと眩い方をみたけど
やっぱり掴まえられなかったよ
風さえもう戻ってこなかった

寝そべってる猫みたいに
ほんとはもっと自由でいられるはずだけど
僕らはなくしてしまったんだ
時間と一緒に夢

飛んでった桜の花びらみたいに
どこへでもゆけたはずなのに
君の手を離してしまった僕の心は
なにによっても慰められないんだ

午後が始まろうとしている
僕も君もまた歩き出すんだ
その道って重なってるなんてわからないけど
眩しい方を目指して歩きたい


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