平行の世界/美砂
 

線をひく
二本の
それはノートからはみだして
線路のように
のびてゆく

そこからさきは
やめなさいとだけいわれるところ

だが二本の線は
平行をつづけてしまう

だれかがバカとよんでいる
遠くから
近くから
ささやきごえ
怒鳴り声

どこまでいっても
まじわることはない
なぜなら二本は
二本であることでしか
生きてゆけない

ひとつの宇宙に
のびつづける
ひとりの
あなたと
ひとりの
わたしの




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