牛乳の不眠/石川和広
 
冷蔵庫の中で牛乳が横になってると父は云うので
冷蔵庫から牛乳を取り出した僕は封を開けながら
オハヨー牛乳は寝てないよと軽い口を叩いた
が受けなかった
当たり前だ
僕の小学校給食に配達されたカスタム仕様のオハヨー牛乳が実在した歴史を彼は知らなかった。

次に僕は彼と訳の分からない言い合いを遅くまでしていた。まるで睡眠薬が効かず、頭ギンギンで足元はふらふらだった。
そういう時は何でも気が立つし、父も真剣な男なので僕の泣き言に付き合い険悪ムードは倍加された。

翌朝は牛乳も寝る 冗談も効かぬ
オハヨーもダメや
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