とり/小川 葉
いつからか
りょうしんのせなかに
はねがはえている
まだそらをとべるほどではないから
あんしんしてるけれど
それはすこしずつ
おおきくそだっていることが
あうたびにみてわかる
とりのめのようになっていた
よんじゅっさいを
すぎてから
かがみをみるたびに
じぶんもいつかとりになるのだと
しんじている
あおいそらから
はねがおちてくる
しんでまもないひとが
おとしていくのだと
そぼがおしえてくれた
からっぽのそら
なごりおしくなくこえは
ききおぼえのある
ひとのこえににている
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