山脈/森の猫
生まれ育った
広い平野と
中部を仕切る
大きな 雪をかぶった山脈
初めてその山脈を目にしたとき
なんて 綺麗なのかと思った
だが
次第にその山脈は
あたしのココロに迫り
のしかかって来た
年に3度の決まった 帰省という移動
家族はいっきょに 7人にはね上がる
あたしは
毎日毎日
強い紫外線の中
何回も洗濯機を回し
あふれかえった
洗濯物を干す
ときには
子供を背負って
冬はとくに気分が滅入った
雪の降る中 納屋に干す
乾かない服を
一日中 ストーブの前で
番をする
子供たちがむき出しの
石油ストーブで火傷をしな
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)