永遠のとば口/kauzak
涸れた港を見下ろす丘の上
にある廃墟のような酒場で
俺は飲んだくれている
のかすら分からない
ただまどろんで
きしむ壁をすり抜けて
吹き込んでくる風に
震えているのか
ストーブには火が入っている
はずだ
なのにどうしてこうも
震えが止まらない
そういえば
俺は誰を待っているのだろう
誰に話しかけようと
まどろみから浮かび上がったのか
蕩けそうな陽射し
反比例するように張り詰める大気
涸れた港ばかりクッキリとしている
地平線のような水平線の彼方
古き良き時代の貨物船が
座礁している
あの船におまえは乗っていた
俺が待っているのはおまえなのか
まどろむ前の記憶が霧散して
何もかもが曖昧なのだ
今日が今日である
ことが不思議なのだ
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