竹のはな/小川 葉
 
 
 
こどくであることが
きんじられているのだから
むれている

たけばやしで
たけはかぜにゆれている
みずからのかっとうに
かぜはとてもよくにている

あるばん
たけばやしから
そっとでていった
こどくになりたくて
でていった
たけにはながさいている

ひゃくねんにいちど
といわれるたけのはなは
ほんとうは
いつでもさくことができる

こどくであることが
あるがままのすがたなら
きんじられた
さよならだけが
はじまりにみちている

わたしが
ははからうまれるとき
いったいなにに
さよならをしてきたのだろう

たけばやしでいきることが
けっしてきらいなのでは
なかったとしても
 
 
戻る   Point(7)