花工場から出荷され/
瀬崎 虎彦
花は土地から切り離されると
すこしずつ死んでいく
生まれた土地から切り離されて
まず工場へ送り出される
仕分ける熟練した腕が
花をつかみ花を矯め
生まれた土地から切り離されて
箱詰めになって出荷される
生まれた土地から船や飛行機で
知らない土地へ送られるもの
すこしずつ枯れながら変化を知る
生まれた土地から切り離されて
見知らぬ世界で廃棄されながら
花は最期に白い雲の夢を見た
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