忘却/
小川 葉
しあわせな
人が書く詩は
どことなくわかる
役に立たないことを
知ってるから
しあわせな
人が書く詩は
少しだけせつない
たりないものが
少しだけ
残ってしまうから
満たされたとして
はたして人は
しあわせになれるだろうか
という
ほんの僅かな
しあわせを
わすれてしまって
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