この世界に平等にレイン/
瀬崎 虎彦
さらに小さくふるえる水面
うちとけることのない二つの世界が
原子核よりわずかに軽い約束を
かわしたのは冷たい雨の日
もの思うようになってはじめて
自然と流れる涙の熱さを知る
大人はもっと泣いたほうがいい
心がすこしだけ浄化されるから
傘のマークをにらみながら
華やかにわらう
この世界に平等にレイン
高いところから低いところへ
とめどなく流れつづけるもの
人の世の喜びと悲しみの雨
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