凍てついた炬火(九)/信天翁
 
ふたかかえもする
庭石のくぼみが淀ませている
枯れ葉を腐葉にして
「時」のひかりをふくむこともせず
「空」の叫びにこたえることもなく

やがて 湛えたあまみずもさよならするだろう
そして 庭石のくぼみは苔を讃えて
すなおにほほえむだろう
そのうえ ごまかさず
おのれの貫禄を誇張するにちがいない
戻る   Point(2)