桜咲くしあわせ/逢坂桜
 
生まれてからいままで

幾度桜を見上げただろう

 青空の下 雨の降る中 夜の空

 あるがまま咲く花は いつも私を一人にした

  今年の桜はしずしず歩み ぱーっと咲いて 誇らしげ
 
  今年の桜はいつもと違う? 去った雪さえ呼び戻された

「わたしはすきだからうれしいけど、あなたはいいの?
 毎日お花見して、あきない?」

「一人だったら来てない。
 結婚して二人で来るから、あきもせず毎日、見に来れるんだ」

「そういうもの?」
「そういうもの」

   咲き始めた頃から 

   毎日のように桜を見ていた

    満開の桜を見上げ 心いっぱい桜に染まる

    満開の桜を見つつ ビール片手に夫は笑う

今年の桜 忘れない
この春の日のしあわせを 忘れない
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