beyond//ねことら
 





くちびるからこぼれた息の糸は青くのびて、しなやかに細い鋼材として夜を螺旋した、あなたと交わした指止めはあまり物の工具のようで、小さな廃墟のテーブルと、小さな廃墟のランプと、よわい背骨のふぞろいにささえられ咲こうとする物語の、扉のつなぎめにまだゆきあたらない、





おもえばわたしたちが冬だったころ、ふれたことのない個室のなかで、さまざまな標識は輪郭を失い死にたえていた、窓枠のふるえがこわくてたまらなかったことをあなたはしっていましたか、抜きとられた夜の緯度のなかに、幼いありようで保存された繊細を、その出口のない痛みを、ひしゃげたアルミニウムの月はみじかくゆれて、
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