灰と桜/水中原動機
 
エイプリルフール
ふいに飛び込んだ訃報
満開の桜のなか
見送られたあいつ
今頃なにしてんだ?
どんな顔してわらってんだ?

残された僕ら
いつもと変わらず過ぎる日常
少しだけネジ外れ
散りかけの桜の下
歌って泣いて痛飲して
前夜のおかずまで披露バカだね

いつだって僕ら
ずっと変わらず続くって
疑いもしなかった
ずっとおなじよに
当然みたくあいつもいて
騒いでるはずだったろ?

空は青くも高くもない
都会の空気だ澄んでもない
日差しは肌を突き刺すだけ
生ぬるいかぜ肌にはり付く
そんなのあいつここにいても
いなくても同じはず

灰になった
あの日それぞれ見送った
ちゃんと知ってるのに
会話の中あいつ出てきて
記憶の中あいつ笑ってて
変わったのは何なんだ?

安易な理解はただの誤解
いまはホントにただ僕ら
分かったふりしているだけで
たぶん何にも受け入れられず
どんな顔してわらってんだ?
お前は僕ら見てわらってんだろ
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