ハピネス/
瀬崎 虎彦
つぶさに観察する 肌のふるえは
ワーグナーの夕暮 悲しいと口にせず
夜の海の不気味さ 重なっている
しのびよる闇に無限の波
新しい歌などどこにもない
はじめからあるものしかない
たぐり寄せるように 空をつかみ
指先に触れる糸を文字にかえる
韻律に惑わない証として
四四三三の檻の中で
肉体の重さを笑うんだ
季節がめぐっても
君はどこにも行けやしない
ハピネス ハピネス ハピネス 生きろ!
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