花/
夏嶋 真子
あおい蕾が
春の嵐にぽきん、と折れて
公園のくずかごに捨てられている
花の命のありかがわからなくて
こわごわ抱いて家に帰る
光に翳すと
やわらぎながら
ほどけてゆく部屋
輪郭をもたずに
花は咲いた
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