lord/イシダユーリ
 

もう
ずっと
わたしではなくなることを
くりかえしている


きみの
ぬけがらを
つなげて
歌に
純粋な愛は歌の中にしかない
その歌を
今日は川になげいれ
昨日は横断歩道から道路におとし
明日は踏切にたたせておこうと
おもっている
それでも
きみたちの
ぬけがらと
わたしの
ぬけがらとが
いつまでも
もつれあって
踊っているので
わたしの
ぬけがらを
つなげて
歌を


荒れ野にさえ
水をもとめる
がさついた手の皮
あふれる夕陽が
潤してくれる
とさえ
期待する
盛り上がった喉
そのように
飢えていると
言いたが
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