こころについての手紙/瑠王
れた時に
一本の木が目印になるように。
その誰かが長い長い夢を完結できるように。
そう、気づいたんです。
探しに行かなければ、と。
先生、今やっと僕の胸はからっぽです。
今度は風が行く先へと世界を転がしていきます。
僕の胸をとおり抜けてひゅうひゅうと唄っています。
先生、今やっと道はひとつです。
先生、まだそこにいるんでしょう?
この手紙は風船につけて飛ばします。
遡る途中で六月の雨にうたれ、なくなってしまうかもしれません。
それでも先生、待っていてください。
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