春の名の味わいを目に噛みしめる/
プル式
やどかりの様に尻から席に着き
視線は窓を離れないまま
あれの名前はなんだっけ
箸をとり酒とつまみが並んでも
味があるのかそれとも無いのか
酒ばかり増え気もそぞろ
ぽかぽかと酔った口調でもう一度
あれの名前はなんだったっけ
つまみを転がし顎をかく
ああそうだ確か名前はニワゼキショウ
はたと膝うち笑顔がこぼれ
さも満足そうに里芋をほおばる。
戻る
編
削
Point
(2)