骨/
寒雪
死んで焼かれて
骨だけになってみる
生きていた頃の面影は
煙と化し
白い骨が
朝日に照らされると
磨いた水晶のよう
他人の骨を混ぜてみても
誰にも分からない
骨を割ってみる
中身は空洞で
外見の白さが
うそのように煤けていた
生きていた頃の思念が
そこに見受けられる
難解な言い回しで
他人をけむに巻くしか能がなく
自らの矮小さを見抜かれることに
必要以上に怯え続ける
つまらないもんさ
気がつくと
右腕の骨を一本
犬がくわえて駆けていった
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