終わりの今日/朧月
 
眠れないというあなたは夜を嫌って
薄いカーテンを少しあけるのです
ぴったり壁につけたベッドからどこかへ
ゆけるとおもっています

上の方の星には目もくれずに
下のほうの街灯もみないで
中間の闇だけをみるのです
悲しむわけでなくみるのです

部屋の空気に触れないで
家具の先にも触れないで
あなたの気配に触れないで
私 そっとあなたの横にいる

あなたがようやくぽつりと
なにか言ったなら今日が終ります
吐き出すようにぽつりと
それだけ っていう合図で終ります

とんとん背中をたたきたいけど
触れないほうがいいみたいだから
触れずにいます
かわりに呼吸をすうはあと
静かに しながら今日を終ります


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