取り敢えずこれだけは言っておきたい/藪木二郎
こういう言い訳はしてもしょうもないことなんでしょうが、取り敢えず私個人としては、一般的な話として、以下の点だけは主張しておきたい、と思います。
差別の問題を扱う場合には、意味論的な問題を捨象してしまってはいけない、と思います。たとえ“意味”なんてもんが、ある種の思想的潮流から観ればもうそれだけで形而上学的ナンセンスだったとしも……。
ここで新しい差別語を例に挙げれば、その語についての私自身の差別意識を指摘されてしまいそうなので、敢えて「ホームレス」、「男子高校生」で説明させてもらいますが……。
普通の男子高校生が、実際にホームレスの状況にあるひとに対して、わざわざ指差して「ホ
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