赤い言葉/砂木
えない
たわいもない会話をしつつ思う
ああ わけのわからない抽象詩も
書いてきてよかったな
真剣でも伝わらない言葉があるとわかる
でも あんなこんなの抽象詩を読ませたら
勉強の邪魔になるだけなんだろうな
手相をみてあげると 彼女が私の手をとった
手相に国境はないのだろうか
爪が赤いから血液の循環がいいと言う
うん それならわかるよ
冷たい手は暖めよう
五十五歳くらいで病気をするかもしれない
そうなの? そうなのかもしれない
未来は誰にもわからないから
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