桜並木/ことり ま菜
 


 花霞 目に映るのは君の背に散りゆくたったひとひらの夢



 北国の君に(好きよ)と花びらで書く 南風がさらってゆくよ



 首筋に君が降らせたひとひらは淡い花より儚い紅色



 花冷えの雨の散らしたうす紅を水面に浮かべ春をとむらう



 「みてよ、ママ。さくらの中にお星さま!」天の川へときみの手を引く






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