ツォ/イシダユーリ
得る
わたしたちも自然なのだからよい
一汁三菜
のあとに
拭かれる
ながい廊下に
嫉妬が
うつっている
なんと
きれいな
廊下だろう
と
頬を
なすりつければ
シャツの
一番上の
ボタンをとめた
朝のような
誇らしさが
こみあげてきて
そうおもっていたあの頃
それならば
いまは
どうおもっているのか
この腕も
腐るのだと
無理やりに
信じようとすれば
誇らしさが
脱臼して
きりきざまれた
野菜が
肉になる
「チカちゃん わたしのかみさまになって」
「チカちゃん わたしのおとうさんとおかあさんになって」
「チカちゃん
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