空の記憶が残像する/瀬崎 虎彦
 
暁に踵
窓に花飾り
ふるえる指に
白豹を捧ぐ

光の消えていく夜のつま先
誰か僕を追いかけてくるものがないか
結び合わされたたそがれどきの独白
襟元にさざめく大胆さ

転ぶように坂を下り
行き過ぎて息を吐く
左に右にラピスラズリの
空の記憶が残像するのに

知ってしまった後で知らなかったことには出来ない
僕たちの距離はくちづけから離れることが出来ない
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