ぼくのこれまではこういうことの繰り返しで/瀬崎 虎彦
 
遠くの空は晴れているのに
郵便局から出ると
黄金の針を束ねたような
冷たい雨に打たれる

明日の天気は確認したくせに
家を出るときに傘を持ってこなかった
思えばぼくのこれまではこういうことの繰り返しで
なんだかおかしいから雨に濡れて帰る

家について髪を乾かして
やり残した仕事を片付けながら
昼食を食べ忘れて夕方になる

世界は雨でも晴れでも曇りでも
ギリギリのラインの上をどうにか
今日も渡りきってハッピィです。
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