夜明け前/Shaka
かって
無慈悲な僕の
右手の人差し指が断罪を問いかける
(処女の胎内から生まれ出たメシアの声は、僕等の耳を掠めて海を渡り、遥か遠い故郷の空で雨となり大地を潤す
だけどそれは、決して僕等の胸に降ることはない)
明日、
祖国の新聞には
イエスの子供達の歓喜が記されるだろう
(それを望まない父の声で、誰かがブルースを歌い、
誰かが十四行の暗喩を刻む
そして、大地が再び土の色を取り戻した頃に、それは歴史となる)
左手で逆に十字を切って
右手で正義を貫いて
僕は、風に耳を澄ますのさ
神の言葉を聴く為に…………。
☆注?霊=たましい
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