夜明け前/Shaka
ペルシアの海を挑む丘陵で
僕等は夜明けを待つ
(独りぼっち、俯せになり夜明けにウインクをする)
隣で眠る彼は鎮魂歌を子守唄にして
胎児のように膝を抱えて
まあるい小さな世界で息を潜めている
(遮蔽された価値観は、羊水の中に泡立つ彼の息吹
天と地と人を拒むなら、安らかな眠りにも就けるだろう)
真っ黒に焼けた静寂の中で
土に溶けた文明が干からびて
退屈を持て余した僕の吐息と共に
明けの風に運ばれ
母なる海へと還って行く
(昨日生まれたばかりの魂や、未だ生まれ堕ちる前の☆注?霊をも抱いて、夜が海に沈んで行く)
神の言葉を聴くという民に向かっ
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